「肥満」と「肥満症」の違いとは?— 治療すべき肥満を見極める

「肥満」と「肥満症」、この2つの言葉は似ていますが、医学的には大きな違いがあります。
日本肥満学会によると、 単なる「肥満」 は体重が多い状態を指しますが、 「肥満症」 は 肥満に伴う健康リスクがある場合に診断される病気 です。
健康診断で指摘される「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」も、肥満かどうかに関わらず 内臓脂肪の蓄積+血圧・血糖・脂質の異常値 がある場合に診断されます。
企業の健康管理で見えてきた「肥満症」の実態
多くの企業で従業員の健康データを見ていると、 「肥満症」の方が意外と多い ことに気づきます。
「ちょっと体重が増えただけ」と思っていても、実際には 血圧・血糖・脂質などの異常が進行し、将来の病気リスクが高まっている 可能性があります。
ダイエットは美容や健康維持のための選択的な取り組みですが、 肥満症の減量は命を守るための「必須の治療」 です。
日本肥満学会では、肥満と肥満症の違いを以下のように判定しています。

「ダイエット」と「治療目的の減量」の違い
ダイエットは 見た目の改善や自己満足を目的 に、自分のペースで進められるものです。
一方、 治療目的の減量 は 生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を予防・改善するために行う もので、医学的な管理が必要です。
予防フェーズとは?
肥満症や生活習慣病の予防には、3つのフェーズがあります。
フェーズ | 目的 | 具体的な取り組み |
---|---|---|
1次予防 | 健康づくり | バランスの良い食事・運動習慣の維持 |
2次予防 | 病気になりかけている状態を改善 | 健診で異常値が出たら、生活習慣を見直す |
3次予防 | すでに診断されている病気の悪化を防ぐ | 医師・看護師の指導のもと、治療を継続 |
特に 2次予防の段階 で適切な対応をしなければ、 病気が進行して3次予防(治療)へと移行してしまいます。
「健診結果を放置する」ということは、病気を待っているのと同じ なのです。

あなたのフェーズはどこ?— 危機感のレベルをチェック!
① 危機感小のフェーズ
✅ 健康診断では異常なし
✅ もっと理想の体型になりたい!キレイになりたい!
② 危機感中のフェーズ
✅ 健康診断で BMI・腹囲・血圧・血糖・脂質の異常値あり
✅ 「健康に悪いのは分かるけど、何をすればいいの?」
③ 危機感大のフェーズ
✅ すでに 薬を服用 している
✅ 「食事に気をつけろと言われるけど、何をどうすればいいか分からない!」
あなたはどのフェーズに当てはまりますか?
自分の状態を正しく知り、適切な対策を取ることが大切です。
健康を守るために— 健診 × 2次健診で確実なリスク管理を
健康診断で異常値が出たら、すぐに生活習慣を見直し、必要なら2次健診を受けることが重要です。
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